Carpe diem

飾らず ただ心のままに…
中山可穂 『感情教育』
『感情教育』 読了。
感情教育

第一章では、那智の生い立ち~理緒との出会いまで
第二章では、理緒の生い立ち~那智との出会いまで
第三章では、那智と理緒の出会い~ と なっています。
「恋愛小説」という前提で読み出したので、それぞれの生い立ちの部分が長いわりに
二人が出会ってからの第三章が、短いのでは?と感じました。
第一章・第二章、ところどころ 軽く流して読んでしまいました(汗)。
でも、『感情教育』というタイトルである以上、登場人物の生い立ちの章は大事であり、
それがあってこその 第三章なのだとも思えますが でも ちょっと・・・。

彼女の作品で読んだものは、先日読んだ『白い薔薇の淵まで』だけだけれども、
いずれの作品にも似たような表現(おっぱいを吸うと安心する・・・とか)や、
キャラクターが、ちょっとかぶってるように感じる部分もあったりして
私小説でないにしても、そういった部分というのは、
中山可穂自身のビアンとしての面が 投影されているのだと感じます。

あとがきで、中山可穂は、
「これは個人的な小説である。だが私小説ではない。
この小説は那智のモデルであるそのひとのために捧げられる。・・・」と、
また、文庫版あとがきでは、どれだけこの作品に彼女自身思い入れがあり、
そのときの恋愛が 一生ぶんのエネルギーを使い果たしてしまうほどの
ものだったかということを 書いています。
著者自身が「一作だけ代表作をあげろと言われたら、今のところこの作品を
あげることになる。そしていつかこの小説を超える作品を書くために、
わたしは生きていくのだろう。」と言うことからも その思い入れの強さを感じます。

それだけに、第三章で 那智メインで話が進んで行くのも もっともなのですが。
正直、理緒の生い立ちなどの第二章は、第三章の中でその意味自体はあるものの、
それ程 いかされていないような気がしました。

ビアンの話であるせいか、先日読んだ作品同様、感情移入してしまう部分もあり
「こんなこと ありえないだろう。」と思われる部分はあるものの、
どうも贔屓目に見てしまい よくありません。
話の中で、那智が引越しする場所など 沿線名に、私自身なじみがあったり、
スーパー名から おそらく あの駅周辺のことを著者は書いているのだろうと推測できるし、あくまで小説とは言え、著者もその辺りに馴染みがあったのだろうか?と
ついつい関係ないことまで 思ってしまって・・・。

中山可穂の作品に関しては、残念ながら わたしは客観的に読めそうもありません。
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